長年同じ病棟で働いてきて、いざ転職しようと思ったとき。真っ白な履歴書を目の前にして、どう書けばいいか分からず手が止まってしまった経験はありませんか?
「履歴書なんて何年も書いていない…」
「私の強みって言われても、毎日当たり前に働いてきただけだし」
「結婚や出産でのブランク、転職回数が多いことはどう書けばいいの?」
わかります、その気持ち。ずっと現場で働き続けていると、ライフステージの変化などで「いざ別の場所へ」と考えたときに、「今の自分にアピールできることなんてあるのかな…」と不安になってしまいますよね。
「自分には何も特別なスキルがない」と落ち込んでしまうかもしれませんが、決してそんなことはありません。毎日現場を回してきたこと自体が、もう立派なスキルなんです。
この記事では、無理なく等身大の履歴書を書くための考え方をお伝えします。焦らなくていいんです。一つずつ、一緒に整理していきましょう。
気負わずに準備できることから

久しぶりの履歴書作成で、最初につまずくのが「手書きか、パソコンか」という問題ではないでしょうか。
少し前までは「履歴書は心を込めて手書きで」という風潮がありましたが、今はパソコンで作成しても全く問題ありません。むしろ、何度も書き直せて、他の病院を受ける時にも修正が簡単なパソコン作成は、忙しい私たちにとって強い味方です。
字のきれいさに自信がない方や、途中で一文字でも間違えると最初から書き直しになるプレッシャーがしんどい方は、迷わずパソコンを選んでみてください。もちろん「手書きの方が自分の誠実さが伝わる気がする」という方は、手書きでも大丈夫です。
どちらを選ぶにしても、大切なのは「間違えた時に修正液を使わないこと」と「黒のボールペンを使うこと」くらいです。
学歴や職歴は、事実を古い順から淡々と書いていけばOKです。
もし資格の欄に書くことが「看護師免許」しかなくても、気にする必要はありませんよ。
なお、応募先の病院によっては、履歴書とは別に「職務経歴書」の提出が求められたり、病院独自の指定フォーマットが存在したりすることもあります。
二度手間にならないよう、書き始める前に募集要項をしっかり確認しておきましょう。
「ブランク」と「転職回数」はどうする?
履歴書を書くとき、手が止まりやすいのが「仕事をお休みしていた期間(ブランク)」や「転職回数の多さ」です。
「またすぐ辞めると思われないかな…」
「休んでいた理由を突っ込まれたらどうしよう」
そんな不安から、つい隠したくなったり、自分を良く見せようと無理な理由を考えてしまったりすること、ありますよね。
でも、隠さなくて大丈夫なんです。
転職が多いことは、裏を返せば「さまざまな職場のルールや人間関係に適応してきた」という強みになります。
「これまでは自分のスキルを発揮できる環境を探していましたが、今後は〇〇の分野で腰を据えて働きたいと考えています」
と、これからの前向きな姿勢を伝えられれば十分です。
また、育児や介護、あるいは自分自身の体調を整えるためのブランク期間も、全く恥ずかしいことではありません。
「家族の介護のために一時的に離職していましたが、状況が落ち着き、また看護の現場で貢献したいと思うようになりました」
と、素直な事実を簡潔に書けば、相手にも安心感が伝わります。
ちなみに、「経験年数をごまかして書いたらバレる?」と不安になる方もいるかもしれませんが、履歴書には事実をそのまま書いてください。
転職先の病院(特に公立病院や大規模な病院)では、お給料の「経験加算」を正確に計算するために、過去に勤めたすべての職場から「在籍証明書」をもらってくるよう指示されることがあるからです。
「えっ、何回も転職してるのに、前の前の職場にも連絡するの?気まずい…」
と思うかもしれませんね。
でも大丈夫です。これは上司に連絡するわけではなく、前の病院の「総務課」や「人事課」に郵送で依頼すれば、事務作業として淡々と発行してもらえます。(クリニックなどではそもそも提出不要なところも多いです)。
だからこそ、変に隠したり短く見せようとしたりせず、堂々と事実を書いておけば何も心配はいりませんよ。
「自己PR」は一人で悩まなくていい
履歴書の最大の難関、それが「自己PR」と「志望動機」です。
特に現場で長く働いてきた看護師ほど、ここで深く悩んでしまいます。
「クレーム対応ばかりで、毎日病棟を走り回っていただけ」
「いつも同じ処置を繰り返していただけで、特別なことは何もしていない」
こんなふうに思っていませんか?
でも、少し視点を変えてみてください。
- ご家族のクレーム対応ばかりしていた
- それは「不安を傾聴し、多職種と連携してトラブルを防ぐ高度な対話力と調整力」です。
- 毎日走り回っていた
- それは「常に病棟全体を把握し、優先順位をつけて動けるリスク管理能力」です。
- いつも同じ処置をしていた
- それは「小さな変化を見逃さず、ルーティンの中に異常を察知する観察力」です。
あなたが「当たり前」だと思って無意識にやっていることこそが、体に染み付いたプロの証拠であり、新しい職場が喉から手が出るほど欲しい「強み」なのです。
「自分の強み」がどうしても見つからない時は
そうは言っても、自分自身で「私の強みはこれだ!」と言語化するのは、本当に難しいですよね。
そんな時は、AIの力を借りてみるのも一つの手です。
実は、看護師が「当たり前だと思っている日々の業務」から、履歴書でそのまま使える「見えない強み」を引き出してくれる専用のAIツール(プロンプト)を作ってみました。
普通にAIを使うと、「もっともらしい優等生な正解」ばかり出されて違意感を持つかもしれません。
だからこそ、いきなり完成品を作らせるのではなく、愚痴や「ただ忙しかっただけ」という言葉でどんどん壁打ちしてみてください。対話を重ねることで、以下のように履歴書づくりをサポートしてくれます。
- 毎日当たり前にこなしている業務を「プロとしての強み」に変換する
- これまで担ってきた役割やスキルを分かりやすく整理する
- あなたの経験と、志望する病院の特徴(理念や方針)を具体的に関連付ける
- 壁打ちするうちに、飾らない「正直で等身大の自己PR」が自然と形になっていく
一人で真っ白な履歴書を前に悩むくらいなら、「ちょっと話を聞いてよ」という感覚で、ぜひ気軽にAIを壁打ち相手として試してみてくださいね。
履歴書は「等身大の自分」を書けば大丈夫

履歴書を前にすると、「立派なことを書かなきゃ」「自分を大きく見せなきゃ」とプレッシャーを感じてしまうかもしれません。
でも、無理をして背伸びした自己PRを書くのはおすすめしません。
以前、私の職場に「救急もできます、ほぼ何でもできます!」と強くアピールして入職してきた方がいました。
周りのスタッフも「わー、すごい人が来てくれた!」と期待して迎えたのですが……
いざ一緒に働いてみると、「あれ?救急にいたんだよね…?」と、みんなの頭にハテナが浮かぶ状況になってしまったんです。
もちろん、それが理由で辞めさせられたわけではありません。
ただ、「等身大で正直に書いておいた方が、後から自分が苦しまなくて済むな」と私自身が強く感じた出来事でした。
そもそも、場所が変われば物品の場所もルールも変わります。
どんなに経験があっても、初日からバリバリ動けるわけではないんですよね。
入職前に自分でハードルを上げすぎてしまうと、結果的に一番苦しむのは自分自身になってしまいます。
少し不格好でも、あなた自身の等身大の言葉で丁寧に書かれた履歴書には、ネットの例文にはない「あなただけの人柄」が必ず滲み出ます。
完璧を目指さなくて大丈夫。肩の力を抜いて、「今のあなた」を素直に伝えてみてくださいね。
よくある質問
履歴書は公的な書類なので、修正液やテープは使えません。「仕事でミスをごまかす人かも」と思われないためにも、面倒ですが新しい用紙で最初から書き直してくださいね。(だからこそ、書き直しやすいパソコン作成がおすすめです!)
Q. 証明写真はスマホアプリで撮っても大丈夫ですか?
最近はアプリの質も高いので絶対にダメではありません。ただ、背景に生活感が出たり、影が入ったりしやすいので、不安なら街角の証明写真機を使うのが一番確実で安心ですよ。
Q. 履歴書を郵送・提出する時のマナーはありますか?
折らずに入る大きな白封筒(角形2号)と、透明なクリアファイルを用意するのがおすすめです。病院の採用担当者がコピーをとる時に折り目がない方がラクですし、雨で濡れるのも防げます。相手の手間を減らすちょっとした気配りですね。
あなたのこれまでの経験は、間違いなく次の場所でも輝く宝物です。
焦らず、あなたのペースで、次の一歩を踏み出してみましょう。
